生ごみのエネルギー活用など最新ごみ処理のリアルを知る
NPO法人農都会議は、11月1日(金)夕、「町田市バイオエネルギーセンター視察会」を開催いたしました。
本センターは、2022年1月に稼働を開始した首都圏初のバイオガス化施設とごみ焼却施設を一体化した先進的な施設です。生ごみを発酵させてメタンガスを生成し、そのガスを利用して発電を行っています。また、焼却施設の蒸気タービン発電と組み合わせることで、施設全体の電力消費を賄い、余剰電力は売電や災害時の電力供給にも利用されています。関東地方では唯一となる大規模なコンバインド方式(ストーカ式焼却炉+乾式高温メタン発酵)であり、他にも、燃焼排ガスを用いたいちご栽培の実証実験など、新規性に富んだ事業を積極的に実施しておりました。
前段では、町田市役所担当者様に事業概要を動画を用いてご説明いただき、施設見学を30分程度実施いたしました。
あいにく、可燃ごみ選別施設にリチウムイオン電池が混入したことによる火災が発生した影響で、バイオガス化施設はトラブルにより停止中とのことでしたが、改めてコンバインド方式での運転の難しさを再認識できた瞬間でもありました。
後段では、本施設の設計・施工を担当した株式会社タクマの担当者様にもリモート参加いただき、事前に参加者から頂いた質問事項に回答いただきながら、質疑応答を進めました。
参加者からは、様々な分野から多岐にわたる質問が飛び交い、充実した意見交換がなされました。いかに一部抜粋したものを記載いたします。
【概要】
・余剰電力について、自己託送による活用となった経緯についてご教示いただきたい。また、今後自己託送の範囲拡大に関する検討は進められているのか。
⇒余剰電力の自己託送は市の要望により開始し、順次拡大の余地もある。
・市内からの生ごみは燃やせるごみに一括して収集しているようだが、バイオガス化施設に投入する際にはどのように生ごみだけを分別しているのか。
⇒バイオガス化施設に生ごみを導入する際は、機械選別(二軸破砕+ハンマー式破砕選別装置)にて生ごみと発酵に適さないごみを選別している。
・焼却排ガスを利用するいちご栽培実証試験が行われているとのことだが、進捗状況と成果について教えていただきらい。
⇒CO2浄化供給設備を活用した試験を実施している。CO2を多く供給した結果、収量が10%増となった
町田市職員の皆様、株式会社タクマの皆様、ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。
記事担当:吉野・雨宮・丸山