NPO法人農都会議は、7月23日(水)夕、「鳥取県伯耆町における使用済み紙おむつ燃料化事業」を開催いたしました。
本町は、全国に先駆けて平成22年度から紙おむつを燃料化している自治体です。町内の可燃ごみ処理施設の機能集約を検討する過程で、事業系使用済み紙おむつの燃料化を検討し、株式会社スーパー・フェイズが独自に開発した紙おむつを燃料化する装置「SDFシステム」を納入しました。
本システムでは使用済み紙おむつを燃料化装置に搬入したのち、2次破砕機を通すことでペレット成形の速度向上・品質均質化を図っています。これまで大きな維持補修工事はなく、維持管理も容易であることから、安定した燃料成形が行われていました。また、可燃ごみ処理施設の建屋を活用したことで、イニシャルコストを削減していました。実際に現場を視察した際、臭気がほとんど感じられなかったことに大変驚きました。
成形された燃料(ペレット)は、町営温泉施設に設置されている使用済み紙おむつペレット専用ボイラーに投入されます。本ボイラーは従来から設置されているガスオイラーの補助ボイラーとしての機能を有しており、年間数百万円~5百万円程度のコスト削減に寄与しています。
また、稼働当初はクリンカの発生等に悩まされたものの、運転方法を工夫することにより、年間250日程度の稼働日数を確保しています。
前段では、伯耆町役場担当者様である井本様に事業概要を、株式会社スーパー・フェイス代表取締役の木村様にSDFシステムの概要をご説明いただきました。後段ではパネルディスカッションとして、循環型社会創出に向けた今後の紙おむつ処理のあり方を議論いたしました。
参加者からは、様々な分野から多岐にわたる質問が飛び交い、充実した意見交換がなされました。以下に一部抜粋したものを記載いたします。
【概要】
・紙おむつは感染性廃棄物として扱われないのか。前処理として何か特殊な行程は存在するのか。
⇒事業系のみを現状取り扱っている。前処理として何か特別なことをする必要はない。
・ボイラーはクリンカなどのトラブルが多いとのことだが、外国製のものを導入されたのか。
⇒ボイラーは韓国製のものを導入している。当時は韓国製のボイラーしか運転試験をクリアできなかった。
・クリンカの発生原因はどのようなものか。
⇒紙おむつそのものに含まれる原料に原因があると認識している。
伯耆町役場の皆様、株式会社スーパー・フェイズの皆様、ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました
